蘭の育て方で大切な培養土の選び方と胡蝶蘭の植え替え方法

お祝いなどで胡蝶蘭などの蘭をいただくということも多いと思います。元気に育ってくると、元々の鉢が小さくなり、植え替えが必要になってきます。ここで疑問に思うのが、土はどのようなものが適しているのか、ということではないでしょうか?
そこで、胡蝶蘭の育て方で大切な、培養土についてご紹介します。まずは蘭の特徴を知ることから始まります。元気に蘭を育てるために、植え替えの手順をご紹介していきます。

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蘭の育て方で大切なのは土を知ることが重要

一般的に植物は、土に根を張り土から栄養分を吸収し、大きく成長し花を咲かせたり果実を付け、種子を作るなどして生育しています。

ですが胡蝶蘭はそれとは違った特徴的な場所で生育しています。

胡蝶蘭は東南アジアの暖かい気候の地域が原産の植物

土に植えて生育するほかの一般的な植物の根とは少し違い、木の幹や枝に寄生するように根を張って育ちます。

野生の胡蝶蘭の環境

木の幹や枝にくっついていますが、木から水分や栄養分を吸収しているわけではありません。

また、常に風通しが良い環境ですが水分に満たされることはなく、雨など水に直接触れる時間も短いのです。

また、土に覆われているような状況にはありません。

胡蝶蘭を育てる時には自生している自然と同じような環境に置く必要がありますが、室内で胡蝶蘭を育てるときに自然界と同じような状況にすることは難しいので、環境を近づけられるように胡蝶蘭に適した植え替え材を使って適切な育て方をし、植え替えをする必要があります。

胡蝶蘭は土の中に根を張らない

育てる時に園芸用土を使ってしまうと根が呼吸できず、水はけのよくない湿った状態の土に覆われていると根腐れをおこしてしまい、湿った状態によってカビが生えてしまうこともあります。

胡蝶蘭の植え替えをする時には園芸用土ではなく、蘭用の植込み材を用意しましょう。

蘭の育て方で覚えておきたい培養土として適しているもの

土の代わりに用いられている植込み材は水苔やバークチップなどで、これらは水はけが良く、根が呼吸をしやすい環境にすることができます。

胡蝶蘭の生産者のほとんどが長年に渡って使っていて実績のある、胡蝶蘭の生育に適している植込み材が「水苔(ミズゴケ)」です。

ミズゴケは胡蝶蘭の植込み材

一番多く使われているもので、水はけと保水力のバランスがいいのが最大の特徴です。

保水力がある分、水をあげすぎると根腐れを起こしやすくなるので、水やりのタイミングを計ることが大切です。

根への負担を考えて植え替えの前と同じ植込み材を使うようにし、植込み材にミズゴケが使われている場合には、植え替えをする時にも新しいミズゴケを用意してください。

胡蝶蘭には素焼きの鉢を

植込み材にミズゴケを使って胡蝶蘭を育てる場合に適した鉢は、素焼きの鉢です。

ミズゴケに含まれた余分な水分を素焼きの鉢が吸ってくれて根腐れを防ぎ、根の呼吸を助けてくれます。

蘭の育て方で欠かせないミズゴケへの植え替え方法

胡蝶蘭の植え替えをする時に準備するものは、新しい植込み材(ミズゴケなど)と新しい鉢、清潔なハサミです。
室内で行う時には新聞紙やシートなどを敷いて行うと良いでしょう。

病気を防ぐために鉢は新しいものを用意し、ハサミも消毒するなどして清潔なものを用意してください。

  1. まずはじめに、胡蝶蘭を鉢からそっと取り出し、古いミズゴケを全て取り除きます。
  2. 古いミズゴケは腐っていたり汚れがひどくて再利用できないので、全て処分します。
  3. 根の腐ったり変色している部分、元気がない根をハサミで丁寧に切り取ります。
  4. 元気な根を傷つけないように優しく丁寧に行います。
  5. 根を切り終わったら一度根を水で洗い流し、古いミズゴケのカスを取ります。
  6. 新しいミズゴケを水で濡らしてギュッと絞って少し湿った状態にし、胡蝶蘭の根すべてにまんべんなく巻き付け、根の間にも詰めていき、鉢に入るかギリギリなくらい多めに巻きます。
  7. 鉢に入れて根を潰さないように少し押し込み、足りない部分にミズゴケを足します。

寄せ植えになっている胡蝶蘭は、植え替えの時に1株ごとに分けてあげましょう。

他にも蘭におすすめの培養土の種類

バークチップ

バークチップは木の皮が原料

植物を植えている土の表面に散らして使うものですが、木の幹や枝に自生する胡蝶蘭にとっては、最も自然界に近い環境を再現することができるため植込み材として使われています。

水はけの良さが一番の特徴で水をやりすぎてしまっても根腐れを起こしにくく、胡蝶蘭に適しています。

日本ではミズゴケが多く使われていますが、海外ではバークチップが多く使われています。

ヤシガラ

ヤシガラはヤシの皮を細かく砕いて作ったもので、保水力は高いですがカビが生えにくく海外で使われています。

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胡蝶蘭を流木などの表面に自然に根を張らせる

鉢植えで育てているものと違って植え替えをする必要がなく、ミズゴケなどのように植込み材が傷んだために交換が必要になることもありません。

常に空気に触れることができるので根腐れを起こすこともないので元気に育ちやすく、自然界では木にくっついて育つ胡蝶蘭には、非常に理にかなった育て方だと言えますね。

吊るして飾ったり、飾る場所も様々に楽しむことができるようになります。

胡蝶蘭の植え替えの時期きたら挑戦してみたい育て方のひとつです。

胡蝶蘭の根に付いた古いミズゴケを取り除いて洗います。

傷んだ根を切り落としたら新しいミズゴケを流木と胡蝶蘭の根に巻き付け、胡蝶蘭と流木を麻ひもなどで縛って固定します。
あとは吊るしたり飾ったりするだけで、いつもと違った胡蝶蘭の表情を楽しむことができます。